前回、短歌ってここがすごい。ということをお伝えしました。今回は実際短歌をつくる際に気を付けることをお伝えします。といっても、そんな短歌のプロでもないので、『短歌のすすめ』 夜久正雄・山田輝彦著 国民文化研究会 の内容を整理したもの。をお伝え致します。詳しくは、この本を是非お読みください!!!
一首一文一息でよめるものをつくろう
基本的に文章の切れ目となる「。」が歌の最後にくるようにする。これが一首一文の意味です。
一首一文の例↓
さしのぼる朝日のごとくさわやかにもたまほしきは心なりけり 明治天皇
(さしのぼる朝日のようにさわやかに持ちないものは心だなあ)
一首二文の例↓
年の内に春はきにけり。ひととせをこぞとやいはむ、ことしとやいはむ。 在原元方
(年内に立春の日が来てしまったよ。今日からの年は暦の上では旧年内だが立春が来たからには新年になるので、去年と言ったらよかろうか、今年と言ったらよかろうか)
どうでしょうか。一首二文の方が、どうも伝わりづらくないでしょうか。たった三十一文字の中に思いを詰めなければならない中、二文になるということは、そこに技巧が入り、ストレートに伝わらなくなるのです。もちろん万葉集の歌の中には一首二文以上の名歌もありますが、基本的には歌は一文ですっとつながっていた方がよいのです。
また、どうしても「五七五/七七」と切ってしまったり、二行で書いたりしてしまいますが、本来は一文で書かれるべきものなのです。この、はじめから最後まで同じ精神が貫かれているものを「調べ」というのです。
内容は自分の体験とする
自分が体験したこと。自分が感動したこと。を短歌にしましょう。伝わる短歌は、実感がこもっているものです。正岡子規はこう言っております「理屈を詠むな」。そう、理屈は詠んではいけないのです。こねくり回さず、感動をストレートに表現するから、その短歌は人の心を打つのです。これがなかなか難しい!
題材はなんでもよい
題材は何でもOKです。但し本当の自分の心から湧き上がるものをそのままストレートに題材にすることが一番よいです。
言葉は口語?文語?
口語(日常語)に近く、うすっぺらくならないような言葉を使う。ということが大切です。感動を伝えるのに、普段口にする言葉をそのまま使ってしまうと感動が薄っぺらくなってしまいます。かといって意味を辞書で引かなければならないような万葉の言葉を使っても、これまた伝わりません。口語に近く、うすっぺらくならないようにです。
深い感動をよもう
とにかく深い感動を短歌にすること。この感動の深さが短歌の良し悪しに直結します。短歌は技巧が難しそうと思われがちですが、実は「深く感動できるか」が一番大切なのです。だから、老若男女、身分など関係ない平等な世界なのです。例えば、身分が高いと深い感動があるわけではないですよね。
連作短歌にしよう
ある感動を短歌にしようと思うと、渾身の一首をつくろうと思ってしまい感動が抽象的な表現になってしまうことがあります。そのような場合は、一首で完結させようとせず、溢れてくるがままに、感動を何首にも分ければよいのです。
いかがですか?短歌をつくってみようかなと思いませんか。何度も繰り返しますが「深い感動」ができるかどうかが一番大切です。となると自分の毎日の充実度がどうなのかということに帰結します。「やったーうれしい!!」「悲しい・・・」「さみしい・・・」「楽しい!!」「感動~~」「きれいだ~」「くそー!」こういう気持ちに満たされた毎日を自分はしているだろうか。短歌を通じて感じられれば最高です。
心に短歌を!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
↓内容は下記を整理したものです!
『短歌のすすめ』 夜久正雄・山田輝彦著 国民文化研究会