おいどんブログ

和歌・短歌を紹介します!

短歌をつくろう1

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今まで短歌を紹介してきましたが、ここで一度「短歌」とはどういうものだろうか。

どうつくればよいのかについてまとめました。短歌を作ってみよう!と少しでも思っていただければ幸いです。

 

「短歌」はすごい! 

そもそも短歌とは何か

短歌や和歌、俳句など日本にはあらゆる「歌」がありますので、整理しました。

 

和歌:短歌(57577)・長歌(57 57・・・577)・施頭歌(577 577)の総称だが、

   主に短歌を指す。

短歌:和歌と同じ57577の31文字構成。和歌(57577)にあったルールを明治以降

            否定した新しい和歌。

狂歌:57577の31文字構成。社会風刺などを詠んだもの。

俳句:575の17文字構成。

川柳:575の17文字構成だが、俳句の季語や切れなどのルールがない。

 

短歌の前ではみな平等である

 短歌は先にあるように五七五七七の三十一文字というルールの中に自分の感情や想いをのせていくものです。あるのはこのルールのみ。あとはなにを詠もうが、誰が詠もうが自由なのです。そして、そのルールのもとに日本では昔から、あらゆる人が短歌を詠んできたのです。それは、老いも若きも。男性も女性も。学問のある人も、ない人も。天皇陛下も武士も貴族も国民も。あらゆる年齢や地位などを超えて平等な世界の中で詠まれてきたのです。例えば、貴族の歌が国民の歌よりいい!ということはなく、

短歌の前では、皆が平等で「心」だけが評価されてきた。のです。

 「心」だけが評価のもととなる、時間を超えて多くの人が参加している短歌と考えると自分もその中に参加したくなりませんか。スポーツや文化でも誰もが参加できて、昔の人ともっと言うと未来の見知らぬ日本人とも同一ルールのもとで共有できるものはないのではないでしょうか。

 

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短歌は心の写真

 自分で短歌を詠んでみると1つ気が付くことがあります。それは色々と言葉を巡らせながら完成させた短歌は、後で詠み返すとその時の情景や気持ちが鮮明に甦ってきます。昔よく聴いていた歌をあらためて聴くと当時の情景が浮かび「なつかしい」と思う、あの感覚に似ているかもしれません。そう短歌は心の写真だ。と私は思っております。例えば、春の空の清々しさに感動して短歌をつくるとします。「空が青いから『空青き』かな・・・いや青さというより太陽の明るさが気持ちいから『明るき空の』かな・・・いや気持ちいいというこの感覚を強調したいから・・・」というように自分が何に感動したかを言葉に変換しようとします。その過程で心に情景や感動が刻まれていくのです。これは実際体験してみないと分からないことなので、是非みなさんにも体験してほしいです!

短歌は脳の筋トレ

短歌は感動を言葉にする行為であるのですが、この感動と言葉の往復というのは、右脳(感動)左脳(言葉)の往復とも言い換えられます。

感動や直感(右脳)を言葉や論理(左脳)にしていくことは、AIが発展する現代にますます重要になります。なぜならAIは左脳力で人間を凌駕するからです。人間は右脳力を生かし、その発想を左脳に転換することで人間としての面目が保てる時代に入りつつあります。そこで右脳力(直感力)を研ぎ澄ますこと。直感を論理にできること。が求められるのですが、なんと!短歌をつくることはまさにこの右脳⇔左脳を行う行為。つまり短歌は脳の筋トレ(脳トレ)なのです。短歌は古い?いえ、短歌はこれからの時代に求められる最高最新の脳トレです。

 

感動に敏感になる

 実際短歌をつくってみようと意識して生活すると、自分の感動に敏感になります。そして、ふと気が付きます「今日一日で全然感動していない!」と。短歌をつくろうと思う時は、心に引っかかるものがあるからなのです。しかし感動がないと引っかかりがないまま一日は終わってしまいます。隙間時間にスマホを見て、時間に追われ、あれこれ先のことを考える。そうしていると感動という感情が湧き上がらないのです。いつも通っている道でも心に余裕を持ち、他のことに心をとらわれずに歩くと、軒先に新しい花が咲いていることを発見したり、視線をいつもより少し上げてみるとレトロな看板を発見したり。たくさんの発見と感動が転がっています。「短歌を詠もう」という姿勢だけで、自分の心に目がいくようになります。そして毎日を味わい尽くすことができます。

 

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さあ、短歌ってなんかすごいかも。ということをお伝えして、次回は短歌のつくり方についお伝え致します!

 

 

心に和歌を! とこれまで締めくくってきましたが

心に短歌を! に変えます(笑)

 

 

参考にした本は、

『短歌のすすめ』夜久正雄・山田輝彦 著  国民文化研究会