おいどんブログ

和歌・短歌を紹介します!

2021-01-01から1年間の記事一覧

身の上を 思へば悔し 罪とがの 一つ二つに あらぬ愚かさ

短歌原文 身の上を 思へば悔し 罪とがの 一つ二つに あらぬ愚かさ みのうえを おもへばくやし つみとがの ひとつふたつに あらむおろかさ 藤堂高虎『関原軍記大成』 悔し :後悔される とが(咎):過ち 現代語訳 自分の人生を思い返せば、後悔ばかりだ。罪…

ちはやぶる 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは

短歌原文 ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは ちはやぶる かみよもきかず たつたがわ からくれないに みずくくるとは 在原業平 『古今和歌集』秋・百人一首 ちはやぶる :「神」にかかる枕詞。勢いが強い。荒々しい。 神代 :神々…

夏の夜は まだ宵ながら 明ぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ

短歌原文 夏の夜は まだ宵ながら 明ぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ なつのよは まだよひながら あけぬるを くものいづこに つきやどるらむ 清原深養父(きよはらのふかやふ)『古今和歌集』『百人一首』 宵:夜になったすぐの頃 明ぬるを:明けるが 「ぬる…

世の人は われをなにとも ゆはばいへ わがなすことは われのみぞしる

短歌原文 世の人は われをなにとも ゆはばいへ わがなすことは われのみぞしる 坂本龍馬 『詠草二 和歌』 現代語訳 世の中の人は俺のことをどうとでも言いたけりゃ言え。俺のやることは俺にしかわからんだ。 坂本龍馬の一生 歴史上の人物で有名な坂本龍馬。…

何事も かはりはてたる 世の中を 知らでや雪の 白く降るらむ

短歌原文 何事も かはりはてたる 世の中を 知らでや雪の 白く降るらむ なにごとも かはりはてたる よのなかを しらでやゆきの しろくふるらむ 『太閤記』佐々成政 や:疑問の意味 らむ:推量の助動詞 や+らむ: 現代語訳 全部変わってしまった世の中を知らな…

「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ

短歌原文 「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ 俵万智 『サラダ記念日』 「寒いね」と「あたたかさ」を語る 一人暮らしをしたことがある人はよくわかると思いますが、「寒いね」と一人部屋でつぶやくも誰も答えぬことのさみしさが…

この味が いいねと君が言ったから 七月六日は サラダ記念日

短歌原文 この味が いいねと君が 言ったから 七月六日は サラダ記念日 俵万智 『サラダ記念日』 俵万智さんの 口語短歌 「短歌って何か昔の人がやってたやつ?」「渋いなあ」とみなさん思うかもしれませんが、この短歌はいかがでしょうか?どの単語も親しみ…

何事もかはりのみ行く世の中におなじかげにてすめる月かな

西行さんの短歌です。変わりゆくもの、変わらないもの。