おいどんブログ

和歌・短歌を紹介します!

後れても後れてもまた君たちに誓ひしことを我忘れめや

短歌原文 後れても後れてもまた君たちに誓ひしことを我忘れめや おくれてもおくれてもまたきみたちにちかひしことをわれわすれめや 高杉晋作 桜山招魂場での招魂祭にて 現代語訳 死におくれても。死におくれても。死んでいったみんなに誓ったことを私は忘れ…

田子の浦ゆ うち出でて見れば 真白にぞ 不盡(ふじ)の高嶺に 雪はふりける

田子の浦ゆ うち出でて見れば 真白にぞ 不盡(ふじ)の高嶺に 雪はふりける 田子の浦から見る富士山はどのような富士山だったのか!? 山部赤人の短歌を味わいます。

雷神(なるかみ)の 少し響(とよ)みて さし曇り 雨もふらぬか 君を留めむ / 雷神(なるかみ)の 少し響(とよ)みて ふらずとも 吾は留らむ 妹し留めば 

新海 誠監督の 「言の葉の庭」 に出てくる二つの短歌。 この短歌の意味は!?

露と落ち露と消えにしわが身かななにはのことも夢のまた夢

和歌原文 露と落ち 露と消えにし わが身かな なには(浪速)のことも 夢のまた夢 つゆとおち つゆときえにし わがみかな なにはのことも ゆめのまたゆめ 豊臣 秀吉 現代語訳 露のように生まれ、露のように死んでいく、私の人生であったなあ。色々なこと(大阪…

願はくは花のしたにて春死なむその如月の望月の頃

和歌原文 現代語訳 文法 鑑賞のポイント 和歌原文 ねがはくは はなのしたにて はるしなむ そのきさらぎの もちづきのころ 願はくは花のしたにて春死なむその如月の望月の頃 西行 『山家集』『続古今和歌集』 現代語訳 願うことなら桜の花の下、春に死にたい…

古畑のそばの立つ木にゐる鳩の友呼ぶ声のすごき夕暮れ

和歌原文 現代語訳 文法 鑑賞のポイント 和歌原文 ふるはたの そばのたつきに ゐるはとの ともよぶこゑの すごきゆうぐれ 古畑のそばの立つ木にゐる鳩の友呼ぶ声のすごき夕暮れ 西行 『新古今和歌集』巻第十七 雑歌 現代語訳 荒れ果てた畑の、崖の高い木にと…

つくづくと軒のしずくをながめつつ日をのみ暮らす五月雨の頃

和歌原文 現代語訳 文法 鑑賞のポイント 和歌原文 つくづくとのきのしずくをながめつつひをのみくらすさみだれのころ つくづくと軒のしずくをながめつつ日をのみ暮らす五月雨の頃 西行『山家集』 現代語訳 しみじみと軒から滴る雨のしずくを眺めながら、ただ…

なにごとの おはしますかは 知らねども かたじけなさに 涙こぼるる

原文 現代語訳 文法 鑑賞のポイント 西行ってどんな人物? 歌を味わう 宗派を超え、仏教も神道もごちゃまぜで大切にしてしまう宗教感 八百万の神々(何もかもが神である)を信仰する宗教感 原文 なにごとの おはしますかは しらねども かたじけなさに なみだ…

憶良は今は罷らむ子泣くらむそれ彼の母も吾を待つらむぞ

和歌原文 現代語訳 文法 鑑賞のポイント 和歌原文 憶良は今は罷らむ子泣くらむそれ彼の母も吾を待つらむぞ おくらはいまはまからむこなくらむそれかのははもわをまつらむぞ 山上憶良 『万葉集』三三七 現代語訳 憶良は今帰ります。子供が泣いているでしょう…

銀も金も玉も何せむに勝れる宝子に如かめやも

和歌原文 現代語訳 文法 鑑賞のポイント 和歌原文 銀も金も玉も何せむに勝れる宝子に如かめやも しろがねもくがねもたまもなにせむにまされるたからこにしかめやも 山上憶良 『万葉集』八〇三 現代語訳 銀も金も宝石もどうして子供という宝に勝るものがあり…

瓜食めば 子ども思ほゆ 粟食めば まして偲はゆ 何処より 来りしものぞ 眼交に もとな懸りて 安寝しなさぬ

和歌原文 現代語訳 文法 鑑賞のポイント 最後に 和歌原文 瓜食めば 子ども思ほゆ 粟食めば まして偲はゆ 何処より 来りしものぞ 眼交に もとな懸りて 安寝しなさぬ うりはめば こどもおもほゆ くりはめば ましてしぬはゆ いづくより きたりしものぞ まなかひ…

短歌をつくろう2

一首一文一息でよめるものをつくろう 内容は自分の体験とする 言葉は口語?文語? 深い感動をよもう 連作短歌にしよう 前回、短歌ってここがすごい。ということをお伝えしました。今回は実際短歌をつくる際に気を付けることをお伝えします。といっても、そん…

短歌をつくろう1

「短歌」はすごい! そもそも短歌とは何か 短歌の前ではみな平等である 短歌は心の写真 短歌は脳の筋トレ 感動に敏感になる 今まで短歌を紹介してきましたが、ここで一度「短歌」とはどういうものだろうか。 どうつくればよいのかについてまとめました。短歌…

「令和」初春の令き月、気淑く風和み、梅は鏡の前の粉を披き、蘭は珮の後の香を薫らす。(2/2)

令和の出典となった歌 「初春の令き月、気淑く風和み、梅は鏡の前の粉を披き、蘭は珮の後の香を薫らす・・・」子の序文の後に続く三十二種の短歌の抜粋紹介。 また『万葉集』のすごさについてです!

「令和」初春の令き月、気淑く風和み、梅は鏡の前の粉を披き、蘭は珮の後の香を薫らす。(1/2)

令和の出典となった歌 「初春の令き月、気淑く風和み、梅は鏡の前の粉を披き、蘭は珮の後の香を薫らす・・・」についてです。 大伴旅人や『万葉集』についてなど、令和について学びましょう。

身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも留め置かまし大和魂

和歌原文 現代語訳 文法 鑑賞のポイント ふんどしが繋いだ「松陰の遺書」 生きるとは何か。『留魂録』が教えてくれること 「身はたとひ・・・」の和歌をよむ 最後に 和歌原文 みはたとひ むさしののべに くちぬとも とどめおかまし やまとたましひ 身はたと…

何事もならぬといふはなきものを ならぬといふはなさぬなりけり

吉田松陰と久坂玄瑞 二人の魂がぶつかり合う手紙のやりとり。そこから「行動」とは何かを学ぶ。

かくすればかくなるものと知りながら已むに已まれぬ大和魂 2/2

「かくすればかくなるものと知りながら已むに已まれぬ大和魂」 吉田松陰がペリー艦隊に乗り込むまでを『幽囚録』『回顧録』をもとに松陰目線で追いかけます!

かくすればかくなるものと知りながら已むに已まれぬ大和魂(1/2 )

「かくすればかくなるものと知りながら已むに已まれぬ大和魂」 吉田松陰の代表的な和歌(短歌) ペリーの艦船に乗り込もうとした(下田韜晦)松陰の熱い志を感じて下さい。

いにしへの御代の教にもとづきてひらけゆく世にたたむとぞ思ふ

和歌原文 いにしへのみよのおしへにもとづきて ひらけゆくよにたたむとぞおもふ いにしへの 御代の教にもとづきて ひらけゆく世にたたむとぞ思ふ 明治天皇 現代語訳と文法 むかしの時代の教えにもとづいて、開いていく未来にたちむかっていこうと思う。 文法…

世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ 海人の小舟の 綱手かなしも

和歌原文 よのなかはつねにもがもななぎさこぐあまのをぶねのつなでかなしも 世の中は常にもがもな渚漕ぐ海人の小舟の綱手かなしも 源 実朝(鎌倉幕府 第三代将軍) 『金塊和歌集』 『新勅撰集』 小倉百人一首 現代語訳と文法 世の中はいつもこうであったら…

大海の磯もとどろによする浪われて砕けて裂けて散るかも

和歌原文 現代語訳 鑑賞のポイント 源実朝を知る 和歌を味わう 和歌原文 おほうみのいそもとどろによするなみわれてくだけてさけてちるかも 大海の磯もとどろによする浪われて砕けて裂けて散るかも 源 実朝(鎌倉幕府 第三代将軍) 『金塊和歌集』 現代語訳 …

たのしみは 錢なくなりて わびるをに 人の来りて 錢くれし時

和歌原文 たのしみは ぜになくなりて わびるをに ひとのきたりて ぜにくれしとき たのしみは 錢なくなりてわびるをに 人の来りて 錢くれしとき 橘曙覧(たちばなの あけみ) 独楽吟(どくらくぎん) 現代語訳 たのしみは、お金がなくなって侘しくしていた時…

たのしみは そゞろ読みゆく 書(ふみ)の中に 我とひとしき人を見しとき

和歌原文 たのしみは そぞろよみゆく ふみのなかに われとひとしき ひとをみしとき たのしみは そゞろ讀みゆく書の中に我とひとしき人をみし時 橘曙覧(たちばなの あけみ) 独楽吟(どくらくぎん) 現代語訳 たのしみは、なんとなく読みすすめていた本の中…

たのしみは まれに魚煮て 兒等皆が うましうましと いひて食ふ時

和歌原文 たのしみは まれにうおにて こらみなが うましうましと いひてくふとき 楽しみは まれに魚煮て 兒等皆が うましうましと いひて食ふ時 橘 曙覧(たちばなの あけみ) 独楽吟(どくらくぎん)より 現代語訳 たのしみは たまに煮魚をして、子どもたち…

きのふまで 吾が衣でに とりすがり 父よ父よと いひてしものを

抱っこ戦争 久しぶりの和歌ブログ。 本当に1年あっという間です。「さあ、また明日更新しよう!」と思って、思って、また思って・・・。前回の投稿から、夏が過ぎ、秋が過ぎ、そして冬に突入していました。 2週間くらい置いている。そんな気持ちだったのに…

仏にもまさる心を知らずして鬼婆なりと人はいふらむ

和歌原文 仏にも まさる心を 知らずして 鬼婆なりと 人はいふらむ ほとけにも まさるこころを しらずして おにばばなりと ひとはいふらむ 税所敦子 姑によむ 現代語訳 仏よりもすばらしい心を持っていることを 知らずに「鬼婆のようだ」と人は言っているとい…

もののふの よろいのそでを かたしきて まくらにちかき はつかりのこゑ

和歌原文 もののふのよろいのそでをかたしきてまくらにちかきはつかりのこゑ 武士の鎧の袖を片敷きて枕に近き初雁の声 上杉謙信 陣中にて 現代語訳 鎧の袖の片方を敷いて仮寝をしていると 初雁の鳴き声が、枕もと近くで聞こえる。 【かたしき】・・・ 元来、…

敷島の大和心を人問はば朝日ににほふ山桜花

和歌原文 敷島の大和心を人問はば朝日ににほふ山桜花 しきしまのやまとごころをひととはば あさひににほふやまざくらばな 本居宣長 六十一歳の時の自画像と共に書かれた歌 現代語訳 大和心とは何かと人が尋ねるなら、 朝日に照って輝く山桜の花 (であるとこ…

秋の夜の月にむかひて祈るかな國の光のまさりゆく世を

和歌原文 秋の夜の 月にむかひて いのるかな 國の光の まさりゆく世を あきのよの つきにむかひて いのるかな くにのひかりの ましりゆくよを 明治天皇御製 明治三十八年 現代語訳 秋の夜の月に向かって祈るのだなあ。 この月の光のように、国の光が隅々まで…